Q.大人の男が知っておくべきクールビズとは?
2016.05.24
A.いかに清涼感を出すかがカギだ
ファッションエディターの荻山尚がお答えします。
今年も夏がやってくる。働く男たちにとって、暑い季節の装い、いわゆるクールビズ対策は欠かせないものとなって久しい。タイをしなければいい、というだけのものでないことをすでに誰もが知っている。しかし、タイをしない分、シャツで個性を出すという考えだけでは完璧ではない。そのちらりと派手なシャツを着ていく場がビジネスだということをもっと考えるべきではないだろうか。ここでは2016年夏に取り入れたいクールビズ対策、その基本と応用を提案したい。

まず、シャツだ。前合わせや台襟の裏にチェックなどの色柄を差したものを多く見かける。タイをしない分、 それらで個性を出そうという考えなのだろう。間違ってはいないが、そこに大人ならではの上品さや上質さは あまり感じられない。いっそ、ギンガムチェックやクレリックなどで大きく色柄を取り入れたい。その際には水 色など清涼感のある色を選ぶことをおすすめする。やはりビジネスには、白無地が最適だ、という方も多くい らっしゃると思う。ただし、ポプリンなどのドレッシーな素材では汗がべったりと張り付き、快適ではない。 というのならば、オックスフォードや鹿の子、目の細かいメッシュなどの生地がいい。半袖を着るのであれば 袖のシルエットに注意していただきたい。長袖をただカットしただけのものは裾が拡がっていて、スタイルが よく見えないのだ。
■〈ギローバー〉
シャツ 税込22,680円
次に、パンツ。グレイのウールパンツがビジネスには最適だが、そのトーンと素材に注意を払うべきだ。トーンは、 ライトグレイが夏向きだ。チャコールなど濃いグレイは見た目に重く、秋冬向きのトーン。黒も避けるべきだ。 クールビズとは着用者だけではなく、周りの人にも清涼感を与えるべき装いだと理解したい。素材はウールが 基本となるが、トロピカルと呼ばれる薄手のものがベスト。コットンは快適だが、腰回りやヒザ裏にシワができ やすいので、午後に大事なアポがある場合はトロピカルのウールを着用しよう。

最後にジャケット。これもパンツ同様、トロピカルのウールが基本だが、技術の進歩により、スポーツウエアの ように楽な着心地ながら立体的な作りのジャケットが多く登場している。ジャージーがその代表生地で、メッ シュやニットなどもいい。ストレッチが効いていて、通気性がいい素材を選びたい。また、肩や胸を触ってみて、 パッドなどの副資材が少ない物の方が、軽く風通しもいいので夏向きだろう。色はネイビーの無地が当然 ベストだ。グレイパンツやチノパン、白パンツとの相性もいわずもがな高い。
■〈三陽山長〉
ジャケット 税込172,800円
パンツ 税込54,000円
シャツ 税込30,240円
シューズ 税込73,440円
チーフ 参考商品
タイをしないのがクールビズと認知されているが、タイをするクールビズがあってもいい。その際は、シルクの 織り生地よりも、シルクやリネンのニット生地を選びたい。色はネイビーもいいが、水色やベージュなどペール トーンを選べば、見た目にも清涼感を得られる。素材と色を熟考するのが大人のクールビズのたしなみだ。
※掲載商品は2016年5月現在の情報であり、変更となる場合がございます。
※品切れの際はご容赦ください。