『時計Begin』編集長 中里 靖 × ファッションエディター 荻山尚【中編】

2016.12.01

『時計Begin』編集長 中里 靖 × ファッションエディター 荻山尚【中編】

男にとって時計とは?

荻山 ところで男にとって時計ってどんな存在だと思われますか?

中里 どういう人に見られたいか、キャラクターを自己発信できる一番ミニマムな物。実用品でありながら、男に許された唯一の装飾品でもある。つまり、コミュニケーション・ツールかな。

荻山 なるほど。

中里 カラトラバのような時計は、知的で品よく見せる、または見られたい。ダイバーズならアクティブな男に、複雑機構なら機械好きでかつお金持ちに、というように。

荻山 どんな風に思われたいか、見られたいか、を考えながら時計を選ぶのもいいですね。昔はタイでそれを表現していましたが、最近、タイをする人が減って、またそれによりタイの意味を読み解ける人も減っていますね。時計は自己アピールの希少な機会、アイテムとなっているんですね。

女性ウケと機械好きの男心を満たす「ジュエラー」

荻山 そんな男の時計選びのなかで、女性からの支持を受けつつ、機械好きな男心も満たす時計というわがままなオーダー。どんなものがありますか?

中里 ジュエラーの機械式だね。代表的なブランドとしては、カルティエ、ヴァン クリーフ&アーペル、ティファニー、そしてハリー・ウィンストンが挙げられる。彼らはジュエリーの片手間で時計を作っている、と思っている人もいるかもしれないけど、そうじゃない。マニュファクチュールとはまた異なる独自の進化を遂げ、地道に時計作りをしている。

荻山 ハリー・ウィンストンといえば、ダイヤや結婚指輪が有名ですが。

中里 この『HW オーシャン スポーツ・クロノグラフ』のキモは、宇宙工学の世界で使われてきた新素材ザリウムにある。この素材はジルコニウムを主原料とした合金で、チタンより軽くて耐蝕性に優れ、低アレルギー性。老舗スイス・メーカーでは手が出せないような、でも時計ケースとしては理想的なこの新しい素材をケースに採用した。

荻山 ベゼルのカットも独特ですね。

中里 ザリウムは切削しかできない難加工材なんだけど、さすがジュエラーだけあって複雑な造形を実現している。ラグにもステップが設けられていたり、同ブランドの象徴でもあるアイアンゲートのモチーフをリュウズガードに融合するなど、見所満載。

荻山 パッと見はわからないですけど、腕のフィット感もめちゃくちゃいいですね。

中里 リングやブレスレットをさんざん手がけてきたブランドだから。どうすれば腕にフィットするか。そのためのデザインと作りはどうすべきか。そんなノウハウはたくさん持っているだろうからね。

 

荻山 文字盤はスケルトンですね。

中里 多面構造のスケルトンで、ベゼルに加えてここでも立体感を生んでいる。日付ディスクもスケルトンで、外周の歯車構造もダイヤルに見せている。このスケルトンの日付の数字は、12時位置の表示窓の白い背景に浮かび上がる仕掛けもユニーク。見た目は大胆だけど、実は逆回転防止ベゼルを装備した20気圧防水の本格派なんだよね。

荻山 宝石を散りばめていないところにも、時計本来の作りで勝負している気概を感じます。

中里 ちゃんと、地道に作っている。

荻山 機械好きの男心を満たします。さらに異性からの認知度も加味すると、かなりイバれる時計ですね。

後編は12月12日(月)公開予定



●〈
ハリー・ウィンストン〉
HW オーシャン スポーツ・クロノグラフ
ムーブメント:自動巻き
素材:ザリウム
ケース径:44mm
防水:20気圧
パワーリザーブ:42時間

税込3,402,000円

■北館5階 時計サロン ハリー・ウィンストン コーナー

 

 


 

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中里 靖
1969年生まれ。47歳。約10年間のフリーエディター&ライター時代を経て、2003年に世界文化社へ入社。男性誌『MEN’S EX』編集長、女性誌『MISS』編集長代理を歴任した後、2012年より『時計Begin』『メルセデス・ベンツ マガジン』両誌の編集長を務める。

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時計情報No.1!本格機械式時計を中心に、ビギナーからマニアまで楽しめるこだわりの特集や、バーゼルフェアなどの最新情報を提供する時計情報誌。全国の時計ショップ情報も徹底網羅し、上質かつ最速の傑作腕時計情報を集約しています。3・6・9・12月 各10日発売予定

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この記事のライター

荻山 尚 / ファッションエディター

1972年生まれ。青山学院大学卒業後、商社に入社した後に編集者に。
レオン副編集長、センス編集長などを務めた後に独立。現在はファッションエディターとして雑誌やWEB、広告などに執筆する。