THE RAKE 日本版編集長 松尾健太郎 × ファッションエディター 荻山尚【前編】

2016.08.05

THE RAKE 日本版編集長 松尾健太郎 × ファッションエディター 荻山尚【前編】

靴は僕にとってぬいぐるみです(笑)

荻山 まずはGENTAがある松坂屋に出店している〈ハマヤ〉のコーヒーと、〈ベル アメール〉のお菓子を召し上がってください。これは松坂屋本館のてみやげコーナーでも人気でして、ショコラを使った焼き菓子です。コーヒーにも、酒にも合うかと。

松尾 ありがとう。うまいよ。コーヒー、大好きだから。で、今日は何だっけ?

荻山 業界随一の靴好き編集者である松尾さんに、男の美容について伺えれば、ってそんなわけないですね、すみません。もちろん、靴についてですよ。

松尾 (頭を撫でながら苦笑)。僕はお洒落に目覚めるのがわりと遅くて、中学生のころなんですね。雑誌を見て、そのころは第三次か四次のトラッドブームで、こんな楽しい世界があるのかと衝撃を受けました。

荻山 十分早いと思いますけど。

松尾 雑誌には洋服はもちろん載っているんだけど、リーガルやハルタのローファーに目が釘付けになってね。それ以来、靴は大好き。靴は履いてお洒落を楽しむものではあるけど、僕にとってはそれ以上に見たり、触ったり、時に舐めたりするような大人の愛玩具のような存在なんです。

荻山 やっぱり変態だったんですね。

松尾 コラコラ。靴は僕にとってぬいぐるみのようなものなの。

荻山 (冷汗)。そんな超靴愛好家である松尾さんが考える、男にとっての靴とは?

松尾 装いの要ですね。

コルテ初の既製靴をテストした

荻山 このコルテの新作『デューク』はいかがですか?

松尾 フランス人ってケチだから、これまではジェイエムウエストンやパラブーツといった丈夫で長持ちするものがフランス靴の中心でした。が、コルテのように、流麗でデザインの美しい靴が代名詞になりつつあるように感じます。

荻山 松尾さんが初めてコルテを見たのはいつですか?

松尾 15年くらい前に取材でパリの工房を訪れた時。当時は、ハンドソーンのオーダー靴だけを作っている小さなブランドでした。当主ピエールさんが私に、「今度レディメイド(既製靴)を始めようと思っている。その第一号を履いてくれないか」と言って、一足の靴をくれたんですね。それが現在の『コルテ-アルカ』でした。

荻山 おお。『コルテ-アルカ』、いい靴ですよね。今日履いている靴は?

松尾 『ネルソン』というモデル。これはピエールさんの友人であるネルソンさんのために作った靴。ネルソンさんはお洒落に興味がなく、ピエールさんにボソッと「君の靴はきれいだけど、僕が履きたいようなものはない」と言ったそうなんですね。そこでコルテ史上最も丸くぽってりしたフォルムのこの靴を作って、ネルソンさんに贈ったそうなんです。

荻山 確かにコルテらしくない武骨な雰囲気がある外羽根のプレーントウですね。でも、色がやっぱりきれい。

松尾 最初はベージュだったんだけど、あとでブラウンをカラーレーションしてもらいました。ここの靴は、後から色を変えられる点も魅力。

荻山 薄い色を買っておけば濃くできる。一方、『デューク』はいかにもコルテらしい流麗なラインに惹かれます。

後編は8月12日(金)公開予定



●〈コルテ〉デューク 税込236,520円 ■北館1階

●今回の手みやげ
〈ハマヤコーヒー〉有機グァテマラ
100g 税込777円 ■本館地下1階
グァテマラ、ウエウエテナンゴ奥地のまさに秘境に位置する農産物アイテム。有機栽培する為の厳しい基準に沿った農園で収穫された有機グァテマラは、豊かな香りとコクがあり、程よい苦みのあるバランスのとれたコーヒー。

◎ハマヤについて
1924年創業の伝統のコーヒーカンパニー。創業以来の理念である素材と製法への徹底したこだわり、こうした姿勢から生まれる上質の味わいを、これまでも、これからもお届けしていきます。ハマヤのブレンドは、まろやかで優しい味といった評価を聞きます。それが多くの方の声とすれば、世界の産地や毎年の作柄、マーケット事情を超えて、ひたすら追求してきた美味しさと売場で接するお客さまとの対話から得られた今のひとつの答え。日に月に、うまく、おいしくなければならないことを忘れません。

 

 

〈ベル アメール〉ガトー&パレショコラ
ブラウニー×2、フィナンシェ×2、マドレーヌ×2、パレショコラ×5
税込2,808円 ■本館地下1階
ショコラでアレンジした定番の焼菓子とベル アメールオリジナルの丸い板チョコレート「パレショコラ」の詰合せ。

◎ベル アメールについて
香り、口溶け、コクはショコラの“いのち”。ヨーロッパとは異なり、気温・湿度の変化が激しい日本で質の高いショコラを作るため、厳密に温度・湿度を管理したショコラ専門のアトリエでショコラティエがひとつひとつ、丁寧に手作りしています。
ショコラのみならず、ショコラでアレンジを加えた焼き菓子や旬の素材を使ったケーキなど四季折々のお菓子を、ショコラ専門店ならではのクリエーションでお届けします。

 

 

 


 

 

松尾健太郎
THE RAKE 日本版編集長、クリエイティブ・ディレクター。月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。’05年同誌編集長に就任し、のべ4年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、メルセデス マガジン編集長、新潮社 ENGINEクリエイティブ・ディレクターなどを歴任。数々の洒落者を紹介するブログも人気。

http://therakejapan.com/tokyo/

THE RAKE

s_0315THE RAKEとは、2008年にシンガポールで創刊されたメンズマガジン。ファッションを中心に、時計、クルマ、旅、グルメなど、全方位的なライフスタイル情報を提供。INTERNATIONAL EDITIONの編集部はロンドン、発行元はシンガポールにあり、スタッフは世界各地を飛び回っています。 JAPAN EDITIONは、「いま世界では、何が“上質”とされているのか」ということを軸に、本国版から翻訳した記事と日本独自のコンテンツを合わせ、世界レベルに標準を合わせた質の高い情報を紹介。第11号となる2016年9月最新号では、俳優アンドリュー・リンカーンのインタビューや、フィレンツェに集った洒落者たちなどを掲載。隔月24日発売。1200円。

 


バナー

キーワード

この記事のライター

荻山 尚 / ファッションエディター

1972年生まれ。青山学院大学卒業後、商社に入社した後に編集者に。
レオン副編集長、センス編集長などを務めた後に独立。現在はファッションエディターとして雑誌やWEB、広告などに執筆する。